ほたるや

蛍が売られてるお店のごとく、珍しくありたい

力ずくだと言いながら…

僕は昭和末年生まれであるが、いわゆる懐メロが好きである

「昔がいい!今はダメ!」みたいな懐古主義的懐メロ好きではなく、いつの時代であれいいものはいいというスタンスである

懐メロ好きのレベルは、多分初級の初級

職場の二回り半近く離れた人たちと、懐メロトークができるくらいだ

 

たまにカラオケに行くことがあるが、家族と行くときでも、友達と行くときでも、一人カラオケの場合でも、必ず歌う懐メロ曲が3曲ある

 

まず、千賀かほるさんの「真夜中のギター」

曲において、「雰囲気」というものは非常に重要な要素であるが、この曲ほど雰囲気が秀でた曲はないと思っている

 

続いて、アリスの「狂った果実

曲としての素晴らしさは勿論だが、何より歌った時の爽快感は半端ない

最後の辺の「ナイフ捨てたこの手で~♪」の辺りのカタルシスはものすごいものがある

 

 

そして、もう1曲

最近の話題とこのタイトルを見て気づかれる方も多いと思うが

 

 

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ムッシュかまやつかまやつひろしさんの「我が良き友よ」である

 

この曲の歌詞を読んだとき、本当に衝撃を受けた

男同士の友情を描いた歌詞はいっぱいあるが、ここまでズドンと心に残る歌詞はそうはない

吉田拓郎さんの天才性をまじまじと見せつけられた感じだ

 

拓郎さんのボーカルverも勿論素晴らしいのだが、やはりこの曲はかまやつさんの曲なんじゃないかと強く思う

あのかまやつさんのねちっこくも飄々としたボーカルだからこそ、男のカッコよさとカッコ悪さ、強さ、優しさなどを上手く表現することが出来ているんじゃないだろうか

 

 

「力ずくだと言いながら 女郎屋通いを自慢する」

 

「家庭教師のガラじゃない 金のためだと言いながら

子供相手に人の道 人生などを説く男」

 

「古き時代と人が言う お前の顔が目に浮かぶ

バンカラなどつ口走る 古き言葉と悔やみつつ」

 

 

僕はこの歌と出会わなければ、歌詞の重要性を認識しなかったと思う

歌というと、どうしても詩より曲調・メロディーラインが先に届いてしまう

曲調がいいから、歌のすべてがいいと誤認してしまいがちだった

 

ただ、この歌は本当に歌詞が凄くて、一文字一文字印象に残る

歌詞を黙読するだけで、日本の戦後~高度経済成長の時代に魂が飛び、イキイキとした若かりし団塊の世代の方々の熱量を感じることが出来る

曲が大事なのは当然だが、歌詞も勿論大事なのである

僕がZARD西野カナ加藤ミリヤなどをあまり好きになれないのは、歌詞が平凡すぎる、もしくは共感出来なさ過ぎるからだ

 

いつものように長くなってしまったが

ムッシュかまやつさんの訃報に、本当に寂しい思いでいっぱいである

かまやつさんの大活躍していた時代に生まれていない僕でも、こんなに寂しく思うのだから、僕の両親くらいの世代の方々は寂寞たる想いでいっぱいだろう

70代を過ぎても、あの独特なロングヘアーはずば抜けた存在感であった

ご冥福をお祈りいたします

 

 

 

 

 

「今の暮らしに飽きたら二人で

夢を抱えて旅でもしないか あの頃へ…」