ほたるや

蛍が売られてるお店のごとく、珍しくありたい

M-1グランプリ2018準々決勝 個人的感想⑤

丸亀じゃんご「終わりの会」

飄々としたボケが魅力の漫才師

非常に緩く、淡々としているものの、随所にセンスを感じさせるネタ

分かりやすさと面白さがいい塩梅で、準決勝進出レベルのネタだったと思う 91

 

祇園「第2ボタン」

今年の上方漫才新人賞に輝いた、ナルシスト漫才師

忍者やピッチャーの天丼は面白いのだが、肘の件は長々した割に笑いを取れなかったのが残念

木崎さんのナルシストキャラからの脱却を図ろうとしているのは分かるが、変なキャラを演じる必要はなかったかな 87

 

アインシュタイン「滑舌→早口言葉」

関西の賞レースの常連、稲田さんのキャラの強さが武器の漫才師

今回のネタは自分たちの紹介(?)に終始しており、ネタの本筋が全くないように思えた タイトルが非常につけ辛い

一番の笑いどころの早口言葉で殆ど笑いを取れなかったのが最大の敗因だろう 86

 

ダブルヒガシ「花いちもんめ」

関西期待のニューフェイス

いわゆる歌ネタであるが、こういう音程を変えるネタは正直食傷気味 てんしとあくまみたいなオリジナリティも無い

3回戦レベルでは爆発するが、準々決勝を勝ち抜けるネタではないのは、武者武者と似ている 87

 

たくろう「人間ドック」 合格

明後日の方向を向いてるボケが魅力の、関西期待の漫才師

彼らを有名にした代表作であるが、この挙動不審ぶりはなかなか怖いものがある

本気なのかネタなのかわからない赤木君のキャラは、新時代の漫才という感じだ

準決勝でも受けたみたいだが、惜しくも決勝には進めなかった 果たして敗者ではどう評価されるか 92

 

ギャロップ「合コン」 合格

ラストイヤーなのかそうでないのか分からないが、見た目はベテランの漫才師

毎年準々決勝で受けながら落ちていただけに、今年も危惧されていたが、持ち前の構成力の高さと林さんの程よい熱量、プライベートと違って真面目な毛利さんのキャラを見事に見せつけてくれた

最近はボケ、ツッコミの境界線が無くなり、ダブルボケ、ダブルツッコミのスタイルになっているが、昔に比べ面白さが倍増してる

間違いなく笑いを取れるタイプのネタなので、決勝でも期待している 95

 

トット「憧れのセリフ」

緑スーツでお馴染みの、女性人気の高い漫才師

何というか、ネタの構成がイマイチ分からなかった オチを最初に決めて、無理矢理導入部分を組み入れた感じ

中国人キャラとかおばちゃんキャラとか、可愛らしい漫才で挑めばいいと思うんだけど、プライドが許さないのだろうか 84

 

ガーベラガーデン「学校vs塾」

学校の先生と塾講師がコンビを組んだ、大阪唯一のアマチュアコンビ(元プロ?)

マチュアらしいネタの発展の仕方だが、単純に二人のやりとりが面白かった

二人とも教師でありながら、学校や塾を揶揄ったような内容なのが非常に面白い 91

 

学天即「年取った」

THE MANZAIにおいて3度決勝に進んだが、M-1では決勝に進めていない漫才師

最近は奥田さんがよじょうさん(でいいのか?)を馬鹿にした感じのネタが多く、MANZAIの頃程学天即を楽しめなくなってきたが、今回のネタは良かったと思う

昔のネタのツギハギという感じではなく、新たに一つの漫才を作り上げた感じだ

奥田さんのツッコミのワードセンスは落ちていないが、ワードセンスタイプのツッコミが増えたせいで、昔ほど突出しなくなったのが残念 92

 

霜降り明星「ワイドショー」 合格

関西を飛び越え、東京でも徐々に知名度を高めている若手漫才師

去年決勝候補と言われながら準決勝で敗退したものの、特に名前が上げられなかった今年もクオリティは全く衰えていない

相変わらず子供っぽい漫才だが、面白いんだよなー 粗品のツッコミもハマっている

ただちょっと進化が見られないので、もうちょっと+αを見せて欲しかった思いも 92

 

モンスターエンジン「ドラマのおっさんのエキストラ」

昔は賞レースの常連だったが、最近は中々決勝に進めていないコンビ

何というか二人のテンションが妙で、どういう感じでネタを見ればいいのか分からなかった

大喜利頼りの構成は、そろそろ止めたほうが良いと思う 85

 

ジソンシン「保険の営業」

地味だが実力派の漫才師

意外とあまり見たことのないタイプのネタだったが、漫才の内容に少し無理があったと思う

「保険の電話セールスが、変な相手に当たったにも関わらず、同じ家に電話をかけ直す」という部分にリアリティが感じられず、ちょっと内容が入ってこなかった

発想は凄く良かったと思うだけに、あそこは何とかならなかったものか 88

 

セルライトスパ「思い浮かべたものを3回質問して当てるゲーム」

シュールなボケが魅力の漫才師

所謂オリジナルゲームのネタだが、ゲーム内容はちょっとありがちかなと思った

ただ、大須賀さんの独特のボケでどんどん膨らませていって、大きな笑いに繋がったのが良かった

ヒガシ逢ウサカ同様、昔は苦手だったがどんどん面白さが分かってきた 91

 

さや香「合コン」

去年の決勝進出コンビ

今年は準々決勝で敗退してしまったが、正直去年の決勝のネタよりも良かったと思う

合コンが題材の漫才は食傷気味だったが、こういうネタの広げ方は初めて見た気がする

石井君の合コンdisはベタ過ぎる気がしたが、漫才師として順調に成長している 93

 

吉田たち「犬を飼いたい」

正統派ながら、非常にセンスを感じる双子漫才師

挑戦的なボケややりとりが多かったが、本筋は正統派である、非常に良いネタ

これだけ良質なネタを披露しても勝ち抜けないんだから、準々決勝は鬼の棲家だなー 92

 

ミキ「新婚旅行」 合格

去年のM-1で3位に躍進した、関西が誇る兄弟しゃべくり漫才

随所に笑いどころを用意しており、そこでしっかり笑いを稼げているのが好印象

昂生さんも絶叫ではなくワードセンスで戦っており、去年の決勝ネタよりも良かったと思う

準決勝で惜しくも敗れたが、やはり敗者復活戦では有力コンビの一組になるだろう 92

 

ミルクボーイ「SASUKE→たません」

リターン漫才が武器のコンビ

ネタの構成上仕方ないのかもしれないが、このコンビは悪意が目立ってしまい、重苦しく感じてしまう

ましてや他局であるTBSのSASUKEを堂々とdisるのだから、本当にビックリした しかもカットされていないとわ 87

 

からし蓮根「刑務所」 合格

関西期待の若手漫才師 将来的に決勝に進めそうなコンビの一組

今年の勝負ネタだが、伊織のボケの個性があまり目立たず、普通の漫才に見えてしまうな、と

2016年の準々決勝のネタのセンスに衝撃を受けただけに、伸び悩んでいるという印象だ

それでも伊織のセンスは飛び抜けたものがあるので、敗者復活も期待したい 青空はどんどん上手くなっている 91

 

アキナ「山登り」 合格

賞レースの常連コンビ 超合金は終わってしまった

今回のネタは色々発展が多かったが、笑いどころが伝わりにくかった

ちょっと全体的にふわふわしていたので、まとまりが欲しかった 90

 

和牛「男と女は理解しあえない」 合格

優勝候補の筆頭コンビ

今回は水田さんと川西さんの役割が逆で、川西さんが女性をdisり、水田さんが擁護(?)する感じのネタ

後半の展開の飛躍はスピード感があり面白く、本当に実力があるコンビなんだなぁと

水田さんは嫌味なキャラを演じなくても毎回毎回面白い 途轍もない話力だ

今年も当然優勝候補だろうが、果たして彼らを止めるとろサーモンのようなコンビが現れるのか 95

 

スーパーマラドーナ「借金の返済」 合格

和牛同様、優勝候補の一組 ラストイヤー

決勝では3年連続、終盤でネタを引っくり返す構成の漫才を披露しており、正直飽き飽きしていた

しかし今回のネタはまさに、THE スーマラ という感じで、15年の集大成という濃厚なネタだった

やっぱりこのコンビは、頭でっかちのネタより、田中さんの気弱狂人ぶりと武智さんの狂暴常識人(豆腐メンタル)ぶりを活かしたネタの方が良い

原点回帰という言葉がピッタリの、ハチャメチャな漫才で非常に面白かった 95

 

 

これで準々決勝の感想は終了…久々に無茶苦茶時間かけて感想書いた

大阪会場は実力者が順当に勝ち上がった感じで、ハインリッヒ、さや香らの敗北は本当に残念

ラストイヤー組は皆自分たちの漫才の集大成を見せつけてくれたので、凄く良かった

 

全体的には東京よりレベルが高かった 大阪組の方が合格者が多いのは当然だろう

頭の悪いネットニュースが頭の悪い記事を掲載したが、観客受けを考慮したしっかりした審査だったと思う

そしてあと1週間程でM-1の敗者復活戦と決勝戦が放送される

果たしてどのような結果になるのか、楽しみにしたい