M-1グランプリ2018準々決勝 個人的感想④
つづいて大阪会場の感想
ラニーノーズ「トイレ」
女性人気の高いコンビ
普段はギターを用いて音ネタを披露するが、今回は正統派のしゃべくり漫才だった
中々しっかりしたしゃべくりで驚かされた 普通に合格してもおかしくないレベルだったと思う 90
黒帯「演技力」
おそらく初見のコンビ
中々珍しい設定で、分かりやすくもあり深くもあるいい漫才だった
共感をフルに活かした漫才構成が魅力 91
バッドナイス「本当に笑顔にしなければいけないもの」
ナベプロ出身だが、何故か大阪でネタをしている漫才師 ボケの常田君はあばれる君の弟子としても有名
非常に独特なノリで、好き嫌いが分かれそうなネタ 僕は正直苦手 83
ロングコートダディ「物語」
緩さと独特さが魅力のコンビ コントと漫才の両刀
今回の設定自体は割とありがちなんだけど、中身は非常にオリジナリティがあり始めて聞くようなやりとりが多い
堂前君ボケに変更(兎君はツッコミではなく賛同)してから、ますます面白くなっている 落選は残念 92
絶対的7%「美容院」
唯一の松竹所属の準々決勝進出コンビ
「短い演技で披露して、その問題点を数点指摘」という展開を何度か繰り返す、独特の構成が魅力
決して悪くはなかったが、ビックリするくらい受けていなかった 大阪のお客さん、他事務所に厳しくないか?? 88
Dr.ハインリッヒ「トンネルを抜けたら」
不思議の世界観が魅力の美人双子漫才師 流石に老けたな…
3回戦のネタも良かったけど、今回のネタは今まで見たハインリッヒのネタでも最高傑作だったと思う
シュールな展開をループさせるという異次元空間 まさにハインリッヒワールド
このネタで落とされたのは本当に可哀想だ 滑ってたならともかくちゃんと受けてたし… 導入部分で笑いが少なかったからか… 96
もも「嫌いなもの」
初見だが、3回戦で爆発していたという噂のコンビ
楽しみにしていた通り、非常に分かりやすいダブルボケ漫才だった
顔ネタに終始したのと、ネットスラングやオタク要素を取り入れすぎたのが気になったが、生きのいい若手が出てきた 91
てんしとあくま「品を出す」
イントネーションや音程を駆使するコンビ
歌ネタ、音ネタが多いコンビだが、今回は歌がありつつもコントがメインの漫才
悪くはないのだが、普段のネタの方が面白いかな 89
ラフ次元「電車で注意をする」
そこそこ評価は高いものの、どうしても突き抜けられない漫才師
所謂上手いことをいうネタだが、それを見事に漫才の展開に組み入れていた
ただ、こういう上手な漫才では、中々勝ち抜けないんだよなー 90
金属バット「漫才は立ち仕事」 合格
ネットでの評判が無茶苦茶良い漫才師
最近は少しシュールさを前面に押し出し過ぎているきらいがあったが、今回のネタは非常に彼ららしかった
毒々しい部分があるが、決して嫌味がなく、老若男女笑えるような漫才 言葉選びが本当に素晴らしい
見事なまでに「正統派しゃべくり漫才師」である 95
マルセイユ「絵本」
ノンスタ型のハイテンポ漫才師 にちようチャップリンの決定戦優勝コンビ
ようやく別府さんが「すぐそうやってゆー」を封印し、お馴染みの動きだけでなく、若者向けのボケや顔ボケなどをふんだんに組み込んだ漫才だった
しかし野々村議員は今更過ぎるなー 所々ネタを詰め込み過ぎている感じはする 89
ニッポンの社長「最終面接」 合格
ベタに見えて結構独特な感性を持つコンビ
発想一点押しの漫才ではあるが、ネタの内容同様、よくこのネタで準々決勝で勝負しようと思ったものだ
ただ冷静なツッコミは本当に良い メタ的な視点も含めたツッコミで、共感性の高い良いツッコミだ 90
ヒガシ逢ウサカ「変な奴」
少し捻くれたボケ、ツッコミ、大胆な裏切りが魅力のコンビ
このネタは非常に構成力が高く、前半で述べたボケを終盤で上手く回収出来ている漫才
見た目と相俟って、狂気性がより一層感じられるイカれた漫才
昔は苦手だったが、最近は非常にお気に入りのコンビの1組である 93
マユリカ「お祭り」 合格
正統派のコント漫才師 ツッコミの中谷君は女性役を演じることが多い
いつもは毒があるネタが多いコンビだが、今回のネタは和牛の影響が強過ぎる感じがする
悪くはないけど、一番準決勝進出を驚いたコンビかもしれない 本当に悪くはないんだけど 88
ありんくりん「人見知り」
M-1というタイプの漫才ではないが、明るくて楽しい漫才
ただし後半の暴走はいただけない 無茶苦茶なだけで面白いわけではなかったし 87
ツートライブ「出前」
最近地上波の番組でも顔を出すようになったイキリ漫才師
このコンビのネタは、周平魂さんのイキリワードにハマらないと楽しめないのかもしれない
たかのりさんがボケを解説するだけのツッコミなので、漫才を見た感じは正直しない 86
見取り図「ファッション」 合格
去年の準決勝進出コンビ 今年は悲願の決勝進出を果たしたパワーツッコミ型漫才師 僕の大のお気に入りコンビ
テーマは毎回ありきたりなものが多いのだが、笑いを強引に引き出す盛山さんのツッコミの破壊力が異常
ワードセンスがありながらも荒々しさもあり、銀シャリの橋本さんや学天即の奥田さんとは全く違うタイプのパワーツッコミが素晴らしい
ノリツッコミとか、訂正ツッコミなど小技が効くのも魅力
今回の「おっかく」だったり、「あたおか」等の略語押しには賛否両論あるが、見取り図らしさの演出という意味ではアリだと思う でもちょっとやりすぎかな 96
藤崎マーケット「三途の川を渡ったら」
ラララライも遠い昔、現在はコント漫才を武器に戦う漫才師
相変わらずファンタジックな世界観の漫才だが、細かなやりとりでも笑いを取れるのは好印象
ただ流石に展開が読め過ぎたし、裏切りも無かったのが残念 90
キングオブコント優勝者で、二冠を狙うコンビ 非常に珍しい漫才とコントの完全両刀タイプ
今回のネタは彼らの代表作ではあるが、ネタバレされているのを逆手に取ったのか、後半をガラッと変更していた
終盤は殆ど暴走ではあるのだが、ありんくりんと違い笑いを取れる暴走 流石実力者だ 94
ジャルジャル「国名分けっこ」 合格
フリースタイル漫才を武器に3度のM-1決勝進出を誇るコンビ ラストイヤー
最近は毎年のように斬新な設定の漫才を用意してくるが、今年もジャルジャルの総集編のような漫才だった
オリジナルのやりとりをするコンビは多いが、やっぱりジャルは断トツでクオリティが高い 決勝も期待している 94
武者武者「ショップ店員」
新喜劇風のやりとりが多い漫才師
相変わらずのビブラートのつかみで、漫才の本筋も悪くはないが若干平坦で抑揚がない
正直3回戦でトップクラスのウケだったと聞いて驚いたが、強豪揃いの準々決勝だと地力の差が如実に出てしまったなと 87
プリマ旦那「子供」
若い頃から才能を絶賛され、結成2年目でM-1準決勝進出を果たし、関西の賞レースでも大活躍した漫才師
まず野村君の見た目に驚いた、やさぐれ過ぎ 昔はアイドル的な要素もあった筈だが
肝心のネタも技術を突き詰めた感じのネタで、上手いんだけど…という感じ
立て板に水のように早口で抑揚なく喋るので、若手らしさが全くない
早熟というタイプではなく、順調に技術を高めていったタイプだが、賞レースと合わなくなってしまったんだろう 88