ほたるや

蛍が売られてるお店のごとく、珍しくありたい

漫才新人賞決定戦2018感想

司会は東野さん、アシスタントは岡田結実
審査員は、オール巨人さん、ハイヒールリンゴさん、ナイツ塙さん、小籔さん、木村祐一さん、マスコミ審査員100人(1人1点)

若くしてバラエティで大活躍中の岡田結実だが、生放送ではかなりカミカミなのが気になった
いくら天才でも、まだ若いのだ


①ニッポンの社長『ヒーローインタビュー』
このコンビが技巧派とか独自路線とか言われるのはよく分からなかったが、このネタは非常に独特なネタである
裏切りがあるようで裏切らずに進むのが裏切り、みたいな感じのネタ

ちょっと後半のぶっ飛び方は好みではなかったし、オチがよく分からなかったのが残念
全体的に見たらそこそこという感じ
90

マユリカ『合格発表』
初めて見たネタでドン引きして以降苦手だったコンビ
しかしこういう感じの気持ち悪さは嫌いではない、寧ろ好きだ

「キャラクターを理解させるのに時間がかかった」というリンゴさんの審査が的を射ていたと思う
コントに入る前に少し匂わせるくらいはしておいた方が良かった
91

プリマ旦那『結婚』
若くしてM-1準決勝に進出し、関西の賞レースでも活躍し続けたが今年で10年目
関西が誇る正統派若手漫才師も、今年がラストイヤー

肩肘張らず、ボケ数を抑え、淡々とした語り口のベテランみたいなネタ
所謂「気持ちの悪い」ネタなのだが、流暢で流れるような語り口からそういう感じをあまりさせない
からしっかりしたコンビだったが、新人賞を取るには少し上手過ぎる
わざと下手にする必要はないが、せめてもう少し若さが残ったネタを見たかった
91

ネイビーズアフロ『動物園デート』
神戸大出身の高学歴コンビ
最近、全国区のネタ番組にも出場し、少しずつ知名度を上げていってる

彼らの代表作といっていいネタ
頭の良さと分かりやすさと鬱陶しさが渾然一体となっていい塩梅
ドカンと盛り上がる部分こそないが、全体的にいい感じのウケ方をしていた
如何にも頭のいい人たちが作ったという感じは否めないので、センスを磨く必要はあるだろう
「視聴者に不快に思いをさせてしまう」と卑下していたが、そんなに不快に思う人はいないと思うが
94

霜降り明星 『宇宙人』
遂にブレーク認定された関西期待の若手漫才師
去年のM-1 3回戦だったかでバカウケしたネタ

如何にも若手らしくハイテンポかつ動きまくるせいやと、短い言葉だけでなく長い言葉でもズバッと切る粗品のツッコミのコンビネーションは絶妙
一見幼稚と見られてしまう危険性がある漫才だが、1つ1つのボケ、ツッコミは本当に濃厚で、しっかりした漫才なのである
ハイテンポなだけの漫才師には見習って欲しい出来映え、素晴らしかった!
97

ロングコートダディ『竜宮城』
兎ツッコミで堂前くんボケに本格的に転向したのだろうか、典型的なセンス型漫才

ニッポンの社長の独自性を見てから見ても、やはりロングコートダディの独自性は抜けていると思う
独特な世界観で、独特なボケツッコミ
木村さんの「賞レースでゆるい雰囲気の漫才は、爆笑を取りづらく点数を付けにくいのが残念」みたいな意見は、言い得て妙だと思う
ただ霜降りの爆発をアドリブで弄ったのは、逆効果だったかな
それと、ネタ3本しか持ってないというのは流石に煽りすぎだろ、と思った(ボケツッコミ逆時代は含めてないのかもしれないが)
94


最終決戦

ネイビーズアフロ『誕生日』
一本目のネタと構成はほぼ同じだが、はじりの抑揚の付け方が如何にも賞レースを意識してる感じで気になった
完成度は一本目ほど高くなく、これだったら代表作の『バカップル』とか、上方漫才大賞の新人賞戦で披露したネタ(内容は忘れたけど、面白かった)をやった方が良かったような気が
ちょっと皆川君がイヤミなキャラを演じるのに固執し過ぎているように思えた
91

霜降り明星『遊園地』
ああこのネタか…
勿論面白いんだけど、霜降りのネタの中では下の方
『小学生の思い出』とか『カラオケ』とかはバレ過ぎてると思ったのかな

相変わらずせいやの動きは面白いし、粗品のツッコミも決まるんだけど、ドカンと来る箇所が無い
そこそこレベルの面白さのボケにだいぶ時間を使ったり、面白いボケを手短にしたりと、バランスが悪い気がした

何より、ダメな若手がよくやる

ボケが意味不明な言動をする

ツッコミ「なんやねんそれは!」

霜降りがやって欲しくはなかった
それでも面白いのは間違いなかったし、優勝はまったく異論が無いです
94


優勝は霜降り明星
マユリカ、ニッポンの社長が賞レースの決勝初進出を決める一方、ミキ、さや香からし蓮根ら実力者が決勝進出を逃す、異例ずくめの決定戦だったが、みな大舞台でよくやっていたと思う

霜降りは漫才の面白さもさることながら、スター性と勢いという点でも他を圧倒していた
今年こそM-1の決勝の舞台に進んで欲しい
それよりはまず、R-1決勝の粗品のネタを楽しみにしたいと思う
オールザッツのフットカットバトルで無名の青年が活躍する姿を目の当たりにして以来、僕は彼の大ファンなのだ
おそらく初めて好きになった、『年下の』芸人さんである