ytv漫才新人賞選考会(2017) ROUND2
M-1準々決勝の感想もまだできていませんが、先にytv選考会の感想を簡潔に書きます
最後の点数は、僕の個人的評価です
①ダブルヒガシ「内臓が喋れたら」338
名前は聞いたことあったがネタは初見
非常にファンタジックかつ気持ちの悪いネタだが、経過を丁寧に描いていたのが好印象だった
ちょっと展開が普通過ぎたので、もうちょっとぶっ飛んでも良かった気はする 90点
②ダブルアート「昔の話」329
ご存知、暴走漫才師
今回のネタは暴走することなく、普通のしゃべくり漫才
後半、一度も裏切りがなく展開されたのが残念だった 最近、裏切りがないのが裏切り、みたいなネタ、多くないか 86
③風穴あけるズ「暇つぶし」335
選考会が誇るにぎやかし枠
今回のネタもいつも通り暴走ネタだが、少し分かりやすくなっていた気がする
そのためか、観客の笑い声も普段より多かったし、僕も結構笑ってしまった
彼らの抜群の個性は普段のライブで披露して、選考会では落ち着いたネタをしていってほしいと思う 88
④熱いお茶「満員電車が嫌い」343
名前も聞いたことがなかった、まったくの初見 オネエキャラと蛍原さんみたいな人のコンビ
色物かと思いきや、ギャグをマルセイユとかよりずっとうまくネタに組み込んだり、滑り芸みたいなやりとりをしたり、あの手この手で笑いを取ろうとするのが伝わり、面白かった
今はまだガチャガチャしているが、ネタを整えられるようになったら、賞レースの決勝に進出してもおかしくはないと思う 91
ライブで受けないことが悩みらしい、大きな漫才コンビ
今回のネタは、大自然の中ではかなりこじんまりとした感じで、印象に残り辛かった
まあ巨人師匠の「よく分からない」という意見を聞いたうえで、分かりやすさを重視したのかもしれないが
やっぱり、探偵のようなキレキレのネタが見たいなあ 87
⑥さや香「怪談」365
個人的に最近お気に入りのコンビ 売れそうだが、売れたら女性ファンが増えてネットでお気に入りと言い辛くなりそう
とにもかくにも新山君の熱量が素晴らしい 細かいやり取りも完璧 面白い
チュート徳井さんに似ていると言われることもあるが、狂人タイプの(妄想モード)徳井さんに対して、物事を大げさに捉える常人タイプの新山君、という点で差異はある気もする
彼らの「声」は、非常に素晴らしいものがある ただ単に大きな声を出しているのではなく、観客に響く「声」を持っているのだ 95
⑦蛙亭「キャバクラ」359
独創的なネタが魅力の男女コンビ
このコンビは結構評価が高く、絶賛する声も多いのだが、僕はあまりハマらない
シュールだったり、独特の間だったり、かわいらしかったり、ハマりそうな要素は多々あるのだが、なぜかハマらない
多分ハマれない僕が悪いだけなので、これからも同じ路線で頑張って欲しい 86
⑧ミキ「感動する話」372
勢いのある兄弟コンビ
ここ最近は、昂生さんのツッコミにメリハリが利いていたように思うが、またうるさすぎるツッコミに戻ってしまった気がする
面白いボケやツッコミは多かったけど、漫才全体から見たら、ちょっと点数が高過ぎる気がしないでもない 91
⑨ネイビーズアフロ「彼女にフラれる」382
賞レースの決勝でもチラホラ見かけるようになった、高学歴漫才師
ネタのタイプとしては和牛みたいな理屈的な男キャラと振り回される女キャラの漫才コント
ただ和牛のような嫌味さはなく、理屈が過ぎて最早ただのおバカな人という感じがしたので、不快感の漂うタイプのネタでは決してない
正統派なやり取りの中に、ちょくちょく賢さという彼らの個性を出しており、テンポの良さ、独創性、オリジナリティという面では非常に良かったと思う ただしこの飛びぬけた高得点にはびっくり 93
⑩霜降り明星「こぶた・たぬき・きつね・ねこ」375
M-1の決勝有力という声も上がってきている若手漫才師
このネタは今年の上方漫才大賞の新人賞戦で披露したネタだったと思う
せいやの器用さばかりが目立つ、玄人好みのネタ
ただ、やはり新人たちの戦いなんだから、器用さより面白さが見たい 彼らの普段のネタだ 91
⑪プリマ旦那「温泉旅行」361
THE 正統派
彼らはいつも同じのように見えて、実はいろんなタイプのネタをやっているしゃべくり、漫才コント、野村君の器用さを見せつけるネタ、ボケ詰込み型のネタ、などなど色々ある
ただ、最近はどのタイプのネタをやっても、「面白い」より「上手い」が先に来てしまう
思えばM-1 2010に若くして準決勝まで進出し、個性豊かな強豪と競い合ったコンビ
年々上手くはなっているのだが、面白くはなっていないと思うのは気のせいだろうか
文房具や葬式のような、挑戦的かつエネルギッシュなネタが見たい 落ち着かないで欲しい 90
⑫ニッポンの社長「ヒーローインタビュー」377
技巧派コンビ
いやあ、驚いた 最後まであの展開で進んでいくとは思わなかった
ダブルアートのところで前述した「裏切りのないのが裏切り」、というタイプの漫才だが、しっかりと芯のある裏切りがないネタだ
もっとも、途中でやりとりの方向性が若干変わっていったり、ボケとツッコミを逆転させたりして、観客を飽きさせない工夫を散りばめていたのが好印象
それだけに、オチですっちゃかめっちゃかになるのが惜しい 最後まであのテンションを続けて欲しかった まあ漫才らしく終わったともいえるけど 95
⑬セルライトスパ「財布」344
シュールさが魅力のコンビ
今回のネタは大須賀さんのキャラクターが非常に良かった 狂ってるが打算的な部分があるキャラ造形で、人間味があった
ネタの中身は、大須賀さんのキャラの一挙手一投足に矛盾に溢れ、謎だらけのネタだが、セルスパらしくて良いと思う
僕はセルスパのネタが苦手だったが、最近ようやく楽しみ方が分かってきた気がする 92
⑭パンドラ「泣ける映画」327
チャラ男と冷静キャラという、ありがちなコンビだが、チャラ男がツッコミという点では中々珍しいコンビ
このコンビの特徴は、ツッコミの福田君のチャラ男キャラが全くネタに不要だということ
悪い意味ではなく、チャラいボケやチャラいツッコミをたくさん繰り広げているのに、それにまったく触れられないまま、ボケが本筋のネタを展開していくという斬新なスタイルを取っている
祇園やジュリエッタ、アントワネットらは、相方のキャラに多少触れてあげているのだが、このコンビは皆無
そういう意味では、かなり新しいコンビだと思う ネタもかなり面白かったし、この低評価は可哀想 91
⑮からし蓮根「転校生」363
独創的なボケと、年々技量を増しているツッコミの漫才コンビ
僕のお気に入りで、当然面白かったのだが、からし蓮根のネタの中では、それほど独創的とは言えず、聞いたことのあるようなやりとりがあったのが少し残念だった
最近は杉本君のツッコミの面白さが目立ってきているので、霜降り同様格差コンビとは言えなくなってきた 92
ネイビーズアフロ、ニッポンの社長が決勝進出決定
前回のマユリカ、ロングコートダディもそうだが、中々斬新なメンバーが決勝に駒を進めている
ROUND3も、常識的に言えば、さや香、ミキ、霜降り明星、からし蓮根の争いになるのだろうが、ここに割って入るコンビが出てくることを期待したい
そして、プリマの復活はあるのだろうか