ほたるや

蛍が売られてるお店のごとく、珍しくありたい

M-1準々決勝感想 -Dブロック-

最後のブロックだけ13組(他は10組)

 

金属バット「プリクラ」93 不合格

いやあ凄い アングラな雰囲気・内容に似合わず細かい部分までしっかり計算されている漫才

もし彼らが10年早く生まれていたら、笑い飯M-1決勝連続出場記録を競っていたんじゃないかと思わせる、濃厚な漫才

ブラックさやエグさを抑え、それでもなお異常性が滲み出る、彼らにしかできない唯一無二の漫才 9.4

 

尼神インター「桃太郎」92 不合格

いつもの恋愛漫才とは異なり、少し捻った感じの恋愛漫才だった

M-1 2010でジャルジャルがやった感じの、二部構成の漫才になっていた

ちょっとウケ方にムラがあり、一番ウケていたのが客いじりだったので、審査員的にマイナスに働いたのかもしれない 8.1

 

モンスターエンジン「結婚式の手紙」92 不合格

前半はオーソドックスな内容ながら、モンエンらしさが見える読み物漫才(小道具はなし)

ただ、後半は言葉遊び大喜利の羅列で、正確な時間は分からないが1分以上大喜利に時間使っていた気がする

勿論大喜利はウケるんだけれど、こういう笑いの取り方は審査員の印象はよくないんじゃないだろうか 7.5

 

和牛「ドライブデート」96 合格

ウケ量だけなら、間違いなく準々決勝一

水田さんの悪意を減らし、川西さんの攻める部分を多くしたので、バランスよく見ることが出来た

比較的オーソドックスな漫才コントなのだが、所々に彼らの色を入れてきたので、飽きずに見れた やっぱり面白い

このコンビは一つのスタイルに拘泥せず、今後も色々なスタイルを模索し続けていって欲しい 9.5

 

大自然「気球に乗って朝日を見たい」92 合格

賛否両論分かれているけど、個人的には面白かった

相変わらず漫才の流れは一緒なんだけれど、白井くん(まさかの同学年!)のボケがいつもより分かりやすくなっていたから、楽に見ることが出来た

展開も分かりやすさを重視しており、突飛なボケツッコミを極力減らしていたので、楽しい漫才を見られたと思う

ちょっとネタバレされ過ぎているきらいがあるが、もし決勝に行けば跳ねるかもしれない 9.0

 

ネイビーズアフロ「バカップル」89 不合格

神戸大出身の高学歴コンビで、非常に知性あふれるネタだった

昔はグロいネタが多くて苦手だったのだが、知的ながらも観客にも分かりやすい言葉を選んでいたと思う

ちょっと後半の畳みかけがしっくり来ていなかったのと、大きな大会で活躍してるコンビの間に入れられたので、腕力の差が如実に現れてしまったかも

個人的にはかなり好み 8.2

 

藤崎マーケット「再結成」93 不合格

何度か見たことがあるネタ

藤崎らしく舞台を大きく使って動きまくるネタだが、一つ一つのボケ、というより展開の飛躍がウケていた

ちょっと展開の進み方が早過ぎて、個人的にはついていけなかった

漫才の題材も、審査員ウケしないものだったと思う 7.3

 

祇園「木崎との生活」90 不合格

相変わらずのナルシスト漫才

馬鹿よ貴方はにも言えることだが、敢えて笑いのない箇所を作るのは、関西の客からは間延びして見栄えが悪いと思われてしまうんだと思う

櫻井さんのツッコミが巧みだからこそ、面白く仕上がっているネタ 7.5

 

ギャロップ「欠点」94 不合格

まさにハゲ漫才の王道といった感じ

ハゲをネタに上手く活用出来ており、緩急をつけて笑いを取ることが出来ていた

間違いなく合格だと思ったが不合格

理由としては、漫才の題材が自分たちのキャラクター紹介に終始してしまったことにあるかもしれない

こういう場で見たらすごく面白いが、決勝の舞台で見るとちょっとこじんまりしてしまう危険性がある

あとは、去年トレエンが優勝したこともあって、ハゲネタが敬遠されたことか

個人的にはトレエンより面白いと思うのだが 9.1

 

霜降り明星「小学校の思い出」92 合格

漫才の序盤はかなり重く、笑いが取れなかったが、水道で手を洗うボケへの粗品のツッコミ辺りから観客の心を掴み、後半は大ウケの連続だった

しばしば批評されるよう、「幼稚」「粗品のピン芸をコンビでやっているだけ」という部分は変わっていないのだが、せいやの動きがよくなっていたから粗品のツッコミは映えたと思う

僕は一度でいいから、このコンビを大舞台の決勝で見てみたい 粗品のツッコミがどう評価されるのか非常に気になるのだ 9.2

 

かまいたち「タトゥー」95 合格

かまいたちが最近よく行う、山内さんの憎たらしいキャラクターを前面に押し出した漫才

展開としては一辺倒だし、無茶苦茶過ぎて共感が得辛いタイプのネタなのだが、キャラクターの強さを生かしてバカウケ

一番ウケていたのは、時間超過の時の音楽にキレていた部分だが、そこを差し引いてもトップクラスのウケ量だったのは間違いない

歌ネタ王、キングオブンコントと、今年はかまいたちの年になるのか 8.5

 

アキナ「離婚」94 合格

離婚する夫とその息子の会話という内容の漫才コント

 ソーセージ時代から思うことだが、山名さんは叫んだり怒ったりするより、淡々と憎たらしいキャラクターを演じる方が絶対合っているな

「ここで〇〇な一言」→「××」→「違う!!」というTHE MANZAI時代に発明した流れを封印して、見事に大ウケしていた

ちょっとコント感が強かったが、合格は納得 9.0

 

銀シャリ「雑学や蘊蓄」93 合格

トリで当然のように大ウケ

相変わらず題材は古いし、ツッコミ主導の漫才だが、鰻さんの駄々っ子みたいなボケにも味が出てきた

ボケとは決しておかしなことを言うだけではない、ツッコミの話をよく聞いて、ボケるべき部分でボケなかったり、便乗したりするのも立派なボケだ

ちょっと、かつて藤崎マーケットがやってた雑学ネタと被る部分があったが、見事にインフレの流れを保ったまま終わらせた

決勝も濃厚な気がするが、果たしてもう一本ネタがあるのか 9.1

 

合格したのは43組中11組

大きな不満はないが、無難な選出だなという思いも強い

見取り図、からし蓮根、金属バットの落選は本当に残念で仕方ない

いつの日か決勝の舞台に立ってくれることを期待している

 

最後に、11組合格なので、各採点トップ11をまとめます

 

会場ウケ採点まとめ(トップ11)

96見取り図、和牛

95かまいたち

94アインシュタイン、ギャロップ、アキナ

93スーパーマラドーナ、学天即、金属バット、藤崎マーケット銀シャリ

 

個人的採点まとめ(トップ11)

からし蓮根、和牛(9.5) 金属バット(9.4) 見取り図(9.3) 霜降り明星(9.2)

ギャロップ、銀シャリ(9.1) 大自然、アキナ(9.0) 学天即(8.9) 吉田たち(8.8)