R-1ぐらんぷり2016準決勝感想その4
東京会場後半から
横澤夏子「もしかしたらプロポーズ」92
いつもの横澤夏子と違い、毒のないハートフルな一人コント
僕は横澤夏子のネタは苦手で、キャラクターに嫌みがあり過ぎて引いてしまうことが多かったのだが、そのイメージが一新した
演じたキャラクターは個性的ではあるが、嫌みがなく微笑ましい感じのバカで、楽しく見ることが出来た
何よりオチが最高に良い あそこで裏切らずに終わるのは相当度胸がないと出来ないこと ハートフルなまま終わらせた
僕の中では納得の決勝進出である 面白かった、というより、良かった!! 94点
ルシファー吉岡「(ネタバレ要素が強いので未タイトル)」93
ルシファーさんの真骨頂、知的な下ネタワールドが炸裂した
印象的かつ強烈なワードが多く、大阪は勿論、東京でのウケ具合はトップクラスだったようだ
ただ個人的にはそこまで笑えず、周囲の盛り上がりが不思議だった
ワードの強さや構成の巧みさは凄いんだけれど、それがすべて下ネタに帰結するのがあざといように思えるんだよなー
去年のじゅんいちダビッドソンさんにも言えたことだけど、ネタにあざとさが見えた途端、どうしてもハマれなくなってしまう 91点
永野「ピカソとゴッホに捧げる歌~イワシになった人~変態おじさん」91
どのネタをやるのか、新ネタが見れるのか、と楽しみにしていたら、まさかのベスト盤方式
彼が人気を獲得するに至ったネタを少しずつ披露していくという、非常に斬新なネタの作り方だった
ただ面白いのはネタの合間に「決勝で何のネタやろう」とか「優勝するぞ」とか言っていたこと このベスト盤という形式そのものがネタだったのかもしれない
それを思うと、彼のぶっ飛んだ才能には恐怖すら覚える心地だ 91点
(大阪会場後半)
ゆりやんレトリィバァ「テンパる場面でのアドバイス」92
テレビ番組でしばしば披露しているネタ
このネタをフルで観るのは準決勝が初めてだったが、やっぱり面白い
大風呂敷を広げておきながら誰でも言えることしか言わない面白さ、サンシャインさん同様、スカシの技法を用いたネタだ
合間合間のダンスでも笑いが取れるため、ネタとブリッジで2度笑える豪華な作りだ
大阪では非常にウケていたが、東京では音響トラブルによって殆ど声が聴こえなかったようだ その辺りを考慮して貰えたのは非常に安心した
大阪ではマイクの声がうるさ過ぎて、逆の意味で音響トラブルと思ったくらいだったのだが(笑) 92点
藤崎マーケットトキ「女性、男性、親族ごとに笑わせる」86
タイトル通り、ネタのツカミや切り口は非常に斬新なのだが、ツカミがピークだったなぁ
ネタそのものはしっかりしていたんだけど、昔のように小さくまとまってしまった感は強い 86点
ラフ次元梅本「直訳」90
去年と同じで英語の歌詞を直訳していくネタ
アナ雪一本に絞った去年と異なり、色んな歌の歌詞をちょっとずつ直訳したから、笑いが分散してしまった感じ
あとこのネタの弱点としては、普段からみんな英語の歌詞をそこまで注視して読まないだろうから、その直訳が合っているのか間違っているのか分からないところ
それでも面白ければいいのだが、今回は下ネタに寄り過ぎていたりと、色んな点で前回に劣っていた 88点
ヒューマン中村「いじめられてるかどうか分からない」92
フリップではなく一人コント
ネタそのものも非常に斬新で、よく出来ていた ネタの構成が理解されていくにつれ、笑いの量が増幅していったのも心地よかった
ネタの良さもそうだが、何より僕が尊敬しているmakabeさんがツイッターで発した
「ヒューマンがついにフリップを手放した。グッときてしまった。」
この言葉がすべてを表している気がする 94点
ここで、機材トラブルが起こりMCのテンダラーが登場
前の芸人のネタの面白フレーズを発したりして笑いを取っていた
浜本さんが「今からモヤっとする話をします」みたいなことを言った途端トラブルが解消し、モヤっとする話が聞けないままネタが再開することに
偶然ではあるが、新喜劇のような予定調和具合に、会場全体がモヤっとすることとなった(笑)
中山女子短期大学「(ネタバレ要素が強いので未タイトル)」90
このネタは何処かで見たことがあった どこだったかは忘れたんだけど
さらば青春の光の「ぼったくりバー」やジグザグジギーの「出席」みたく、一回目の破壊力は抜群だが、二回目以降、ネタを知っている状態で見るとあまり笑えないタイプのネタだと思った 88点
藤崎マーケット田崎「授業中」86
音響(他者の声)を用いた一人コント
それなりにウケていたけど、僕はイジメを連想したので胸クソ悪かった
イジメを連想させるネタがダメって言うつもりはないけど、あまりにも救いが無さ過ぎるのではないか? 81
ナオユキ「雑居ビルの4階」90
いつものナオユキさん
ネタを変えずに挑み続ける姿勢は賛否分かれるけど、ここまで挑み続けられると、是非ともこのスタイルを貫いて下さいという気持ちになる
多分ナオユキさんはこのネタを続ける限り、R-1決勝に進むことは不可能だと思う
それでも、準決勝まで進み、確実に観客を沸かせるのだから、それはそれで凄いことだと思う
やっぱり彼のネタは3分では足りない 10分くらい聞いていたい 91点
以上、総評的なものはあとで書く!
さてさて、決勝までに間に合うかなぁ~