清原の件
基本的に僕は年上の方はさん付けで呼ぶ
学天即の奥田さん、馬鹿よ貴方はのファラオさん…といった感じに
現実だろうと、ブログだろうと、基本的にその姿勢は変わらない
ただ、清原容疑者に関しては敢えて清原と呼ばせてもらう
僕が知っている清原は巨人に来てからの清原で、彼の全盛期は話でしか聞いたことがない
ゆえに、「ガラが悪く、年下を恫喝する」人物という印象が非常に強い
野球選手の個性が均一化されつつある時代、清原という人物の持つ圧倒的な個性が称賛されつつあるのは致し方ない
ただし僕にとって、「明らかに人道的におかしいだろ」と思うことが、「ヤンチャ」「番長」などの表現でオブラートに包まれることが気になって仕方なかった
それゆえ、はっきりいって僕は薬物疑惑関係なくアンチ清原である
アンチだからというわけではないが、以後も「清原」表記で呼ばせて頂く
清原が覚醒剤使用の疑いで捕まった
テレビ番組での言動を見ても明らかにおかしかったし、清原がクスリをやっているのは僕の中では明白だった
ゆえに驚きはなく、「これだけ時間が掛かるんだな」という感想しかないのが正直なところ
よくよく考えると、清原という人物は本当にメンタルが弱いのだと思う
あまり使いたい言葉ではないが、「メンヘラ」と呼ばれる面倒くさい人格の持ち主だ
普段の粗暴な言動も、メンタルの弱さを隠すための強がりだったのかもしれない
清原の苦悩のスタートは、やはりドラフトでの桑田さんの裏切りであろう
実際のところは分からないが、大学進学を表明していた桑田さんが巨人に指名され、巨人に行きたかった自分は西武に指名された
この経験が最後まで尾を引いてしまったのは、確かに哀しむべき不幸だ
しかし、その後幾度も和睦の機会が取られ、仲直りした都度裏でコソコソ桑田さんを批判する姿勢は女々しいとしか言えない
僕は桑田さんもあまり好きではないのだが、「許す」ということが最後まで出来なかった清原はやはり好きになれない
選手として引退した後、清原は丸くなれなかった
野球選手であっても、タレントに転向する場合は、プライドをかなぐり捨て自分の駄目なところを大雑把に見せつけて笑いを取る必要がある
槙原さんも元木さんも、タレントとして生きるため過去の栄光を封じた
しかし清原にはそれが出来なかった 大き過ぎる過去の栄光を忘れられず、周囲と対立し、孤立を深めていった
そういう姿勢が恰好いいという意見があるのも分かるが、挫折と孤立の中、清原が縋ったものが浪費、刺青、そしてクスリだったというのは笑うに笑えない
覚醒剤によって幻覚に悩まされ、自分の息子にデッドボールを与えた小学生に怒鳴ったり、包丁を握って妻を追い掛け回したり、本当に笑えない
それでも信じてくれたSMAP中居さんや、盟友の大魔神佐々木さんらが居たが、彼らまで裏切ってしまった
メンタルの弱さ、プライドの高さが、清原という人物の人間的成長を阻害し、このような悲劇を生みだしたといえよう
最後になるが、僕は清原は好きではない 刺青・薬物関係なく、人間的に好きになれない
これは今後も変わることはないだろう
ただ、そんな僕でも清原のスター性は、プロ野球史上5本の指に入る程であることは認めている
日本シリーズで13歳下の松坂から打った特大ホームラン あれは忘れられない
メンタルが弱くとも、性格が粗暴でも、清原という人物は間違いなく日本プロ野球史に残る名選手なのだ
だからこそ、後輩の野球選手から慕われ、熱狂的なファンがつき、今回の悲劇が悲しまれているのだ
それゆえに、清原には彼らの声にしっかり耳を貸し、答えて欲しい
刺青を消し、薬物中毒を克服し、真人間となって欲しい
桑田さんも言っていた「逆転満塁ホームラン」 それを僕にも見せて欲しい
自分の弱さと向き合い、外見や行動を年相応に正し、戻って来て欲しい
弱さを前面に出したとしても、番長清原が大好きな人たちは見限ったりはしないだろう
彼らは清原という人物が持つ個の魅力に惹かれているのだから