キルミーベイベー論-笑いの基本構造④-
さて、キルミーベイベーという作品は、お誂え向きの言葉で紹介されることが多い
『シュールギャグ漫画』
この場合のシュールというのは、基本いい意味では使われない
よく分からない、意味不明、どこが面白いのか分からない
↓
だからこそ面白い
みたいな意味で、シュールという表現が用いられている
しかし、本当にキルミーベイベーはシュールな漫画なんであろうか?
作品のシーンを紹介しつつ、考えていきたい
(1巻43pより)
僕の好きな4コマを選ばせて貰ったが、基本的にキルミーのボケとツッコミはしっかりとしたものなのだ
意味不明なボケというよりかは分かりやすいやすなのボケに、ソーニャの暴力的なツッコミが加わる
シュールというか、どちらかといとベタだ
(3巻50pより)
まさにベタの極み
でも笑いの基本に忠実なキルミーのボケが僕は大好きである
ではなぜシュールと評されるのか?
これはまず設定の意味不明さが挙げられよう
『おバカな少女と殺し屋の金髪外国人が織り成す日常』
よくよく考えるとかなり非日常的な設定だ
キルミーが漫才"コント"漫画と呼ばれる所以は、この設定によるところが大きい
シュールなバックグラウンドがあるからこそ、内容そのものまでシュールに見えてしまうのだ
もっとも、アニメ化が決まった辺りから、原作にシュールなネタが多くなったのも事実である
(続く)