ほたるや

蛍が売られてるお店のごとく、珍しくありたい

キルミーベイベー論-笑いの基本構造②-

さてキルミーベイベーという漫画の特徴であるが、この漫画はギャグ漫画と位置付けられているが、もっとぴったり合う表現がある

 

『漫才漫画』

 

作者のカヅホ先生は、キルミーベイベーは「漫才コントマンガ」と称している

なるほどキルミーベイベーには、漫才的な面白さが詰まっている

漫才師を志す方には一度読んで貰って、漫才の基本構造を学んで欲しいといいたいくらいだ

 

さて、キルミーベイベーの漫才的面白さについて、少し考えていこう

 

キルミーベイベー 2巻

 

まずキルミーベイベーは、非常に登場人物が少ないのが特徴だ

日常系4コマ漫画の場合、まず主人公と友達3~4人くらい、先生キャラ、主人公の家族、隣のクラスの実力者、頼れる先輩にかわいい後輩、…etc

大体平均して10人前後、主要キャラクターと呼べる登場人物が出てくるだろう

それぞれ魅力的な個性を持っているからこそ、読者は好きなキャラが分かれるのだ

 

しかしキルミーベイベーには上記の表紙に登場する折部やすなとソーニャ、忍者の呉識あぎりさんの3人しか主要キャラクターはいない

アニメでは、原作で没になったキャラクターを再利用して登場させている『没キャラ』が、基本彼女は原作ではおまけコーナーにしか出てこない

あぎりさんも毎回登場する訳ではなく、本当の主要キャラクターはやすなとソーニャの2人 主にこの2人のやりとりだけで、ずっと話が続いているのである

 

漫才師の多くは2人組である

毎回同じ2人で異なるやりとりを行い、笑いを取る それこそが漫才の醍醐味である

すなわち、少ないキャラクターで色々と話が展開していくキルミーベイベーは、根幹の部分からして『漫才的』といえよう

 

(続く)